ラケットの持ち替えで フォームが変わる理由を解明/No.11

上手く打とうと意識することが上手く打てない原因?
知らないうちに上手くなってしまう方法とは!?

頭で考えたことは身体で実行できる!?

テニスプレイヤーのほとんどは、自分の体は100%自分の意識で動かせると思っているでしょう。
「そんなことは当たり前だ。酔っていたりしなければ自分の体は頭で考えたとおりに動かせる。」という方はかなり多いと思います。

テニス専門誌に掲載されているプロの連続写真などを見ながら、フォームの改造を試みている多くの方も、「フォームやスイングを意識的に改造することは可能だ」と考えているでしょう。
ただ、中には「そうとも言い切れない。思い通りに体が動かないこともある。」という方もいると思います。
なぜなら、そういう方は過去に「こうしようと考えてやってみたけれど結局うまく行かなかった」という体験があるからです。

素振りならできる

「あなたのスイングはこうだから、もっとこうしたほうが良い。」とコーチや仲間に言われた時、素振りでなら大多数の方はそのとおりに実行することができるでしょう。
ただ、「いざボールが飛んでくるとそれができない」あるいは「素振りと同じことはできるけれど、その時ボールが当たらない」という状態がよく見られます。

さらには「練習ではできるようになったけれど、実際のゲームではできない」ということもあるでしょう。
そして、そういうことを何回か繰り返すと「やっぱり自分にはできないんだ」と諦めて元に戻ってしまう場合が多いようです。

頭で考えた動きと反射的な動き

頭で考えたことが体で実行できないのです。
そのわけは「素振りでできてもボールが飛んでくるとできない」ということに集約されます。
「ボールが来るとうまくできない」のは、飛んでくるボールに対して体が反射的に動くので、頭で考えた動きがどこかへ行ってしまうからです。

これと反対に、「考えたことはできるけどボールが当たらない」のは、頭で考えた動きがメインになってしまうとボールに合わせる調整がどこかへ行ってしまうからです。
「練習でできてもゲームではできない」のは、ゲームでは他のいろいろなことに注意しなくてはならないので、頭で考えた動きがどこかへ行ってしまうのです。

テニスはとっても忙しい・・・1.5秒で返球する

ラケットドックで撮影したビデオを編集しながらチェックしたのですが、通常のストロークラリーで、相手が打ってからそのボールをこちらが打つまでに要する時間は、一般レベルのプレイヤーでおよそ1.5秒~2秒でした。

ということは、こちらが打ってから次に打つまでの間隔は、その倍のおよそ3秒~4秒になります。相手がボレーに出てきているときはその時間が約半分になり、自分もボレーに出ているボレー・ボレーの状態ではさらに短い時間で打ち合うことになります。

同じ状態のボールは一球もない

また、その短い時間で、相手の打ったボールが自分の居るところに飛んできてくれるとは限りません。
前後左右、コート内の様々なところにボールは打ちこまれます。さらに、その打球の高さやスピード、回転量などは1球1球異なり、同じ状態で飛んでくるボールは1球もないのです。

あれこれ考えている時間はない

このようにテニスプレイヤーは、相手が打ってから2秒以内の短い間に、
①ボールが打てる所まで移動して、
②ラケットのスイートエリアで、
③適切な瞬間に(狙ったコースに打ち込むために遅れも早過ぎもしない瞬間に)、
④正しいスイングで(狙った場所に落とすための適切な力加減と回転量で)、
⑤1球1球異なる状態のボールを打ち返さなければならないのです。
それも一度きりではなくラリーが続く限り、3~4秒間隔でそれをやり続けなければならないのです。
ということは、あれこれ頭で考えてから行動に移しているような時間はないということです。

無意識的な動きが主導

こうした短い時間では、意識的な思考や判断はあまり有効に働きません。
「こんなボールはどうやって打とうかなぁ」などと考えている間にボールは通り過ぎてしまいます。
頭で考えていてはとても間に合わないので、ボールの状態に合わせて身体が無意識的に反応します。反射的な動き、無意識的な身体の反応がテニスの動きでは主導権を握っているのです。
(このような着眼は特に目新しいものではなく、コーチング理論の古典とも言える「インナーテニス」という本にも書かれています。)

うまく打とうという意識がうまく打てない原因になる

ボールを打とうとする瞬間に「こんな打ち方をしよう」という意識が強く働くと、ボールに対する無意識的な調整が邪魔されて、タイミングのズレや真ん中に当たらないなどのミスが発生する原因になります。
意識的な動きが主導権を握ると、今までの練習で身につけた無意識的な対応能力が封じ込められてしまいます。打ち方を意識することが、うまく打てない原因になるのです。
この、「悪いフォームは直そうとしなければ直らないけれど、直そうと意識することがうまく打てない原因になる」というジレンマは、向上心のあるプレイヤーがよく陥る迷路です。

ラケットは身体の入口と出口の両方を支配している

プレイヤーは、ボールを打ったときの手応えを感じ取り、同時にそのショットの飛び方を目で確認しながら力加減やスイングの角度などを調整します。
打ち合いを繰り返す中で、より効果的なショットが行くように無意識的に調整し続けるのです。

打ったときの手応え(情報の入口)

ボールを打ったときの手応えはラケットを通じて手に伝わります。その感覚は打球をコントロールする上でとても重要なのですが、ラケットの衝撃吸収性によって伝わる内容は変化します。
同じスピードのボールでも、衝撃吸収性の高いラケットでは手応えが小さくなり、衝撃吸収性の低いラケットでは手応えがダイレクトに伝わります。
ボールを打った感触が体に伝わる入口にはラケットがあり、その性能次第で体に伝わる情報の内容が変化します。

飛び方(動きの出口)

テニスでは素手でボールを打つことはできないので、身体の動きはラケットを通じてボールに伝わります。
良く飛ぶラケットでは、不用意に力を入れるとボールはアウトしまいます。
その結果を見て次のショットではインパクトの力を調整するので、次からはボールがコートに入るようになります。
この他にもラケットのいろいろな性能に対応してスイングが変化します。運動の出口にもラケットがあって、その性能がショットの結果に大きな影響を与えます。

無意識的な変化

このように、ラケットはプレイヤーの「情報の入口」と「運動の出口」の両方を支配しています。
ラケットを持ち替えるとことで手に伝わるインパクトの情報が変化し、スイングパワーのボールへの伝わり方も変化するので、それに応じてプレイヤーの動きは無意識的に変化します。

テニスを始めたときから「自分の打ったボールを相手コート内に入れる」というテーマはプレイヤーに対して絶対的な強制力を持っていますので、「無意識的な動き」はこのテーマにとても忠実です。
というより、今までの練習によってそうなるように鍛えられてきたのです。

そのため、ラケットという身体の入出力パーツが変わっても、それまでと同じようにコートに入るようさまざまな調節を行います。
その結果、プレイヤー自身が意識していない状態でスイングが変わるのです。

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